物件について「報告」と「お願い」です
まずはご報告
少し前から匂わせていた交渉中物件についてのご報告です。
年明け頃、物件オーナー様にゲストハウスとして利用することを提案させて頂きました。
オーナー様はとても真剣に私たちの事業、ゲストハウスというもの、に対し考えて下さり、3月の後半に話を進めてもいいと回答を頂き、初めて内見をさせて頂きました。
この物件は、明治の末~大正時代に建てられた長い歴史を持つ伝統的な町家です。
木造の建具の引き戸を開けると広い土間があり、表からは見えない中庭へ続いていきます。
室内の建具もとても凝った組子のものや、ゆらゆらした昔のガラスを使ったものなどがあり、柱や梁もとても立派なものが使われていました。
漆喰の壁も、急な階段も、一つ一つに対し「好きだ」と思いました。
ここでゲストハウスができたら、外国人にはもちろん喜んでもらえるでしょうが、日本人である私でも泊まってみたい!と思える宿ができると思い、ワクワクが止まりませんでした。
現代っ子は畳を知らない子供もいるらしい時代、子供さんに昔のおうち体験をさせたり、広い土間では川越の素敵なものを展示販売するスペースも作れるかも!と、リアルな夢が膨らみました。
用途変更の壁
改めて田中さんが図面を起こしてみると、100平米を超えていることがわかりました。
私たちはあくまでも合法に、きちんと旅館業の営業許可を取ってやろうと思っているので、100平米を超えると建物の「用途変更」というものをしなければなりません。
これをやるのはとても大変で、建築基準法に準拠する必要がありますし、時間もお金もかかる作業になります。
また、この建物は市の都市景観重要建築物に指定されているもの。
そもそも用途変更はできるのか?
この辺は田中さんが市役所へ聞き取りに行ったりしていました。
修繕費用の壁
内見した際、一番修繕にお金がかかるかも、と思ったのが屋根でした。
雨漏りをしていたのです。
その頃、ちょうど80%の長屋も工事中だったのでそこに携わっていた屋根屋さんに見てもらうと・・・。
私たちの予想をはるかに超える金額が叩き出されました。
理由は、まず都市景観重要建築物のため、必ず瓦で直さなければなりません。
更に、使われている鬼瓦と棟瓦がかなり高価なものだったこと、泥葺きという手法で直さなければならないこと、そしてびっくりなのが、瓦にも「川越規格」があるということ!
また、市からは都市景観重要建築物に対し、外見を修繕する場合には補助金が出る・・はずなのですが、現在は利用できないとのこと。
調べてみると知らないことばかりでした。
とても残念なことですが、素晴らしい物件に出会えて、オーナー様にも会えて前向きな返事を頂けたのに、現状、困難なことがあり今後の可能性を探りながらも他の物件も探し始める方向へ舵を切りました。
オーナー様は本当に真剣に考えて踏み切って下さったので、いつかどうにか・・・!という気持ちは持ち続けています。
物件情報求む!
お願いがあります。
川越中心市街地で、空き家利用に悩んでいる、そんな話を聞いたことがある、などの情報があればご連絡下さい!
先日オープンした連雀町の80%の長屋を見て頂ければわかりますが、既存の建物をできるだけ残し、必要な個所をきれいに直していきますので、昔を思い出せます。
街の景観を変えることはありません。
新しくカッコいいものを作るより、今作り出すことができない古いものを大事にしたいと思っています。
古すぎるかもとか、魅力ないかもとか、修繕費用が、とか、そういったことはとりあえず忘れて是非お声がけください。
まずはお話をしましょう^^
どこの誰かもわからないし、ということなら是非直接お会いさせて下さい。
空き家は原石です。
フェイスブックを通じてメッセージを頂くのでも、80%を通してでも、すずのやへ来て頂くのでも構いません。あ、すずのやに確認してないな(笑。たぶん大丈夫。
どうぞよろしくお願いいたします。
ゲストハウスちゃぶだい・チーム一同からのお願いでした。